ヴェジテリアンに変身!
「黄疸でなくて紅疸になるんじゃない?」
娘と笑いあったほど、日々これトマト。なんと3日間で、まるまるしたトマト25個とミニトマト18個を消費した! 四日目でミニトマトは全部ハチミツ漬けになった。
ミニトマトを下さった方へハチミツ漬けを分け、パン屋のルヴァンにもお散歩がてら持って行った。
新しく取り組むレセピもあるから、お料理は2人がかりだ。ロイヤルホテルのレセピは、米津春日、松本彌成両料理長。ずいぶん使っているのに、なぜかトマトのムースとスープはこれが初めてだった。
村上信夫やマリオの本も、探すとトマトや卵が、相性よく、一緒に使われているレセピがある。アスパラガスとトマトというのもある。ちょうど、ナショナルトラストのオホーツク村の資金になるグリーンアスパラガスが、1キロ近く着いたばかりだった。トマトとメロンもすっきり合う。
洋風料理には、野菜主体の凝ったお料理がずいぶんあり、野菜を手間惜しまずに料理すると、すばらしいひと皿になることを発見した。お料理というと、私たちは肉や魚に手間をかけ、野菜は〈添えもの〉程度に考えがちだが、これはまちがい。
しかも、野菜だから味はリッチでも、中身はヘルシーだ。気づいたらトマトのお陰で毎日、ほとんど肉なしの軽い夕食で、味覚は大満足なのだ。
「トマトのお陰で知らない間にヴェジテリアンやってた!」
「すごく食べてるのに体重が増えてないのよ」
たとえば、ある晩はこんな具合だ。トマトのムース、サラダほうれん草添え、バルサミック・ヴィネガー。スタッフド・トマト(ツナと黒オリーヴとアンチョヴィ、ケッパー、バルサミック・ヴィネガー)。これは「マリオの料理」のアミ・ヴァージョン。
トマトとメロンのガスパチヨ風スープ。ミニトマトのフライ(粉と卵だけつけて揚げる、本は中公のムック「イタリー料理」)。この夕食で動物性タンパク質はマグロのカルパッチョひと皿だけ。
別の日の動物性タンパク質はサーモンの冷製に、コテージチーズとサワークリームにエストラゴン入り添え。
ポーチドエッグをトマトに載せ、ビーフブイヨンとクリームのジェリーで覆う冷製は、ホプキンス風というそうだ。前菜だが、これが卵主役で今晩のメインになって、あとはみんなトマト料理。
野菜を料理するのに、ほかの野菜や卵が生きた。それにはハーブ類や木の実が欠かせない。エストラゴン、バジル、チャイヴ、ローズマリー、ナットメッグ、松の実……、上げたら切りがない。ハーブはフレッシュが絶対だけど、高いのが難。つい倹約しがちだが、野菜を生かすのはハーブだ。
スープやムースに野菜が活躍するのも、西洋料理のいい面だ。トマト、きゅうり、じゃがいも、ねぎ、メロン、アヴォカド、カリフラワー……。およそ野菜でスープにならないものはない。特においしいクリームスープやムースは、野菜が主役。ブレンドされ、漉されて、元の形は消えて、変身している。姿を残して、かたちと味の両方を味わう日本料理ともっとも違う点だろう。
野菜をもっと生かして食べることが、食卓を素敵にし、ヘルシーライフにもなる、と気づいたのが、〈トマト・デイズ〉の大プラスだった。
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