(月刊「味の味」2003年7月号「名店ききがき」より)
―― 2000年4月に「さいたま新都心駅」が開業し、また「さいたまスーパーアリーナ」や行政・民間企業のビルも次々と竣工するなど、周辺の開発事業が着々と進行しています。この地で開業35周年を迎えた《アルピーノ》ですが、お客様に変化はありますか。
鎌田 はい、やはり増加傾向にあります。以前は自家用車か、最寄り駅の大宮からタクシーなどで来られるお客様がほとんどでしたが、今では駅から徒歩で7〜8分ですから。またビジネス人口が増えましたので、大人数でご利用されるお客様もいらっしゃいます。 ―― 新しいビル内にも、多数飲食テナントが入っていることと思いますが。 鎌田 ええ、しかし今のところはファストフード店や、カジュアルなタイプのお店がほとんどのようですので、きちんとした食事をとりたい、という方々がウチに来てくださっているのでしょう。しかし、開発事業は現在も続行中ですので、また5年もすると状況が激変していると思いますが。
―― さて、ウエディングでもつとに定評のある《アルピーノ》ですが。 鎌田 はい。元々は、レストランの評判が口コミで広がっていき、お客様のご要望に応える形で始めたのですが、ゲストとしていらっしゃったお客様が「私もぜひここでウエディングを」という具合に、徐々に増えていったんです。昨年はお蔭様で、180組ほどのウエディングをお引き受けいたしました。
ウエディング風景
―― それは凄い数ですね。 鎌田 やはり、97年のリニューアルで、1階、2階と使い分けられるようになったこと、また、昨今は平日に少人数で行うプチウエディング形式が増えてきたということもあります。因みに、48席の1階で60組、75名までお入り頂ける2階で120組でした。まぁ、定休日などを考えると、確かに凄い数字ではありますが…。 ―― お客様はやはり地元の方ですか。 鎌田 ええ、大宮は若い世代の方が多い土地柄ですからね。でも、意外に地方の方々のご利用も多いんですよ。何せ、東北・上越・秋田・山形・長野の各新幹線が大宮に停車しますし、東京駅からでも新幹線なら20分ほどですからね。 阪 最近ではバスをチャーターしてお見えになるお客様もいらっしゃいます。当店では大型バスの駐車スペースを確保できますから。中には、翌日そのまま東京ディズニーランドへ、という方たちもいて、私も驚いたのですが。 首都高速池袋線、東京外環自動車道の美女木ジャンクションを起点とする高速大宮線が通り、更に現在高速埼玉新都心線も建設中ですので、クルマでのアクセスも飛躍的に便利になりますね。 ―― それは楽しみです。では、《アルピーノ》でのウエディングとは。 鎌田 何より、極力お客様のご要望に添って創り上げていく、オリジナル・ウエディングであるということです。マダムの本領発揮の場で、もちろんスタッフも“Yes!”の精神で一丸となって、アルピーノらしいホスピタリティのもと、お客様の一世一代の晴れ舞台のお手伝いをさせて頂いております。 ―― 料理については。 鎌田 挙式が決まったカップルには、ランチを召し上がって頂きます。ご希望があればウエディング・メニューの試食も可能ですが、前もって食べてしまうのも…ね。そこは私にお任せ頂き、当日を楽しみにして頂ければ、と思います。
―― さて、これからの《アルピーノ》ですが。 鎌田 いつ行っても、美味しい料理があり、温かいもてなしがある。そんな店であり続けていきたいですね。“変わらない”ということはとても重要であり、かつ大変なことであると思います。 変わらないでいくためには、凄く努力をしなければならない。その上で、いつも安定した味、サービスを提供できることで、来てくださるお客様に安心感を持って頂けるんです。現代にあっては、これは逆に新鮮な感覚かも知れません。 ―― なるほど、この地で35年もの間好評を博している秘訣ですね。 阪 光栄なことに、新しく建つビルからテナント誘致のお誘いも多々あるのですが、ウチはここを充実させていこう、という考えなんです。これから若いスタッフを育てていくにも、その方が良いと思います。これはシェフ、マダム共々同意見なのですが。
鎌田 地元の店として、地元の人たちに「大宮には《アルピーノ》があるよ」と、自慢して頂けるような店にしていきたいですね。 阪 本当にその通りで、「あの店はいいよ」と言って頂くだけでも満足なんですよ。 また、神田にあったイタリア料理《イルクオーレ》は、現在《すぱげってえ屋さん》と一緒になっていますが、2年後にはリストランテとしてこの地に立ち上げる予定です。これにより《素敵屋さん》、《逸品屋さん》、《お菓子やさん工房本店》、そして貸しギャラリー《多羅葉》、サロン《あるぴぃの銀花ギャラリー》と共に、アルピーノ村が一応の完成となります。 鎌田 これからも更に光り輝く村に、より一層楽しいスペースにしていこう、と思っています。
阪 例えば、「ここでプロポーズを受けた」とか「結婚記念日に食事をした」、「子供が生まれた記念に」…そんな方たちが、土日に必ず2〜3組入っていらっしゃいます。また、ウチでウエディングをなさったお客様の中からも、将来お使いになる方も出てくるでしょう。いわば“ハレ”の日用の、特別なメモリアルの場所になるのが、フランス料理店なんですね。 鎌田 確かに決して安くはありませんが、最近では少しずつお金を貯めておいて、年に何回か食事にいらっしゃるお若い方たちもいます。人生の節目節目に使われて、“自分たちのレストラン”というような思い入れがあるんですね。 そんな方たちのためにも私たちスタッフ一同は「いつ来ても変わらない、温かいおもてなしを心掛けていこう」と日夜努力しております。 ―― 正に“大宮にアルピーノあり”ですね。本日はどうもありがとうございました。
(5/16.2003 by N.)
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