『起き上がり小法師』は、『初音』(小型の竹笛)、『風車』と共に“会津三縁起”と呼ばれる民芸品で、正月十日に会津若松の中心街で開かれる十日市に並ぶ。3cm程の手のひらに乗る大きさが特徴で、家内安全、無病息災、そして一族繁栄を願い、家族の数より一つ多く買い求め、神棚に供えるのが習わしである。

《上菓子司 会津葵》の『縁起菓子 小法師』は、小豆餡と白小豆黄身餡を用い、白砂糖の石衣で包んで雪の情緒を表した菓子。可愛らしい本物の小法師が一つ付き、人気となっている。また、菓子に巻かれている赤い帯状の染紙には食紅を使い、安全性に配慮している。

同店は、会津藩御用の茶問屋・二字屋治郎左衛門の系譜を持つ。異色の創案菓子・南蛮かすてあん『会津葵』、『江戸葵』を始め、会津の代表的な求肥菓子『赤べこ』、純和三盆糖に会津産特上蕎麦粉を配合した『御法度打ち菓子』、城下町文化が香る『花餅』など、数々の銘菓を送り出している。
■《上菓子司 会津葵》会津若松市追手町4-18
TEL.0242-26-5555 写真提供:会津葵