かみしめると身肉と脂の甘みが溶け出し、長い余韻を残しながら消えてゆく――。赤身に白い脂が鹿の子模様に入った鯨の身を握った寿司。肉は鯨のアゴの周り、希少となった鯨肉のさらに希少部位。ここでしか味わえないという極上の一品である。
このほか、赤身・さえずり(舌)・本皮の「鯨の3種盛」もおすすめ。シャキシャキの水菜と鯨の肉を煮込んだ「鯨のはりはり鍋」、「鯨の竜田揚げ」・「鯨のベーコン」も人気のメニューである。
新宿《樽一》の創業は昭和43年、初代佐藤孝さんは鯨類研究所に勤めていたが故郷宮城県の名酒「浦霞」との出会いがあり、東京で創業した。現店主は二代目の佐藤慎太郎さん。鯨料理と三陸の海の幸と「浦霞」を中心に、三浦店長の目にとまった銘柄を四季の料理に合わせ提供している。料理も酒も旨い居酒屋である。
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