安政3年(1856)創業の《廣榮堂本店》は、吉備団子の元祖である。初代・武田浅次郎氏は黍(きび)の粉を蒸し固めただけだった団子を、もち米と砂糖や水飴を用いて、黍で風味を付け御茶菓子用に仕立てた。これが今に続く吉備団子の原型である。

あっさりした甘味と弾力のある食感の『むかし吉備団子』は、本物を追求した逸品だ。主原料のもち米は、昔から「政所もち」(まどころもち)と呼ばれるもち米の産地で有名な岡山市高松地区の契約農家の方が栽培した特別栽培米を使用。この希少なもち米を一晩水に浸して石臼で挽き、丹精込めて調製し、厳選した砂糖と水飴、米飴を加えて煉り上げ、最後に上質な黍で風味を付ける。

“日本一のきびだんご”は、岡山の大自然の恵みと、農家の熱意と努力、そして《廣榮堂本店》の伝統技術の結晶である。

■ 廣榮堂本店
岡山市中区藤原60 TEL.086-271-0001(代)